【???】
「そこのカワイイキミ」

【鈴音】
「きゃっ!」

な、なになに? 
いきなりうしろから来た男の人に肩を抱かれたよ。
しかも、サングラスに帽子……なんか怪しい!


【???】
「暇なの? だったら僕と遊ばない?」

【鈴音】
「え? え?」

これってナンパ……だよね。どうしよう。

【鈴音】
「あの……ごめんなさい。急いでるんで……」

【???】
「なんで? いいじゃん。遊ぼうよ」

【鈴音】
「いえ、用事があるんで……困ります!」

【???】
「くすくすくす……」

【鈴音】
「……?」

なんで笑ってるんだろう。私、変なこと言ったかな?

【???】
「鈴音ちゃん……僕だよ。僕……」

【鈴音】
「雪斗お兄ちゃん!!」

【雪斗】
「びっくりした?」

【鈴音】
「びっくりしますよ!!」

【雪斗】
「すごく慌ててる鈴音ちゃん、おもしろかったよ」

【鈴音】
「私はおもしろくありません!」

怪しい男の人にナンパされたと思って怖かったんだから!
もう! 雪斗お兄ちゃんは、いつも私を驚かせるよね。
ん? でも、雪斗お兄ちゃんって、今日は深夜まで撮影じゃなかったっけ。


【鈴音】
「映画の撮影はどうしたんですか? 深夜まで続くって聞いてたけど……」

【雪斗】
「今日の撮影はもう終わったんだ」

【鈴音】
「終わった? そうだったんですか」

【雪斗】
「ウン。そんなことより、せっかくだから、僕とデートしようか?」

【鈴音】
「デート……ですか……?」

【雪斗】
「僕とじゃ、いや?」

【鈴音】
「いえ……いやじゃないです」

いやどころか、ちょっと嬉しい。
だって、雪斗お兄ちゃんとデートなんてなかなかできないことだし。
レポートがんばった自分へのごほうびってことでいいかな。


【雪斗】
「じゃあ、今日はふたりでデートに決まり!」