とりあえず、由鷹が怒ってる理由を聞いてみよう。
たぶん……原因は雪斗さんなのは分かってるけど。

今日のことは、きっといつものあれだよね。
私をからかってるだけ。
でも……なんで由鷹が怒るんだろう? そこが気になる。


【鈴音】
「由鷹、なんで怒ってるの?」

【由鷹】
「別に! 怒ってない!」

【鈴音】
「雪斗さんはちょっと私をからかっただけで、なんにもされてないよ?」

【由鷹】
「当たり前だ!!」

【鈴音】
「あ、昨夜、ちょっとキスされたけど」

【由鷹】
「なっ、なにーーーっ!!」

うわああっ。ちょっと! 由鷹! なに、運転中に振り返ってるの!?
よそ見運転しないで!


【鈴音】
「よ、由鷹!! 前っ!」

【由鷹】
「うわわあっ!」

由鷹が、あわててバイクのハンドルを切る。
ふぅ……危うく電柱にぶつかるところだった。
助かった〜……事故なんて起こしたら大変。


【由鷹】
「キスだとぉぉぉ! どこだ? どこにキスされた? く、く、唇か?」

【鈴音】
「お、お、おでこだよ!!」

【由鷹】
「雪兄の野郎ー!」

【鈴音】
「きゃっ!」

由鷹は、バイクのスピードを上げた。
私の話……逆効果だったみたい。


【由鷹】
「鈴音! しっかり俺につかまってろよ!」

言われなくてもそうします!
私は由鷹の腰に回した腕に力を込めた。