【昴】
「鈴音、していい? 全部俺のものに……して」

【鈴音】
「うん……して」

私が答えると、昴お兄ちゃんは腰を動かしはじめた。
何度も出たり入ったりするたびに、快感の波が大きくなっていく。


【昴】
「ぁっ……んっ……」

【鈴音】
「ぁあっ」

本当にゆっくりと昴お兄ちゃんが私の中で動いている。
ゆっくりとした動きのせいで、動いている感触がはっきりとわかる。

気持ちいいけど、でもどこか後ろめたい。
私の気持ち、通じてよかったのかな。
こんなふうに昴お兄ちゃんにしてもらって、よかったのかな。


【昴】
「んくっ……」

「鈴音、そんな顔して……いつも……」

まるで私を責めるみたいに、昴お兄ちゃんが名前を呼ぶ。
私、いつもどんな顔をしていたの?
昴お兄ちゃんはそれをどう思って見ていたの?


そんな風に辛そうな顔をする昴お兄ちゃん、見たくないよ。

【鈴音】
「っあ……やあ」

【昴】
「俺のこと嫌いだと……思ってた」

【鈴音】
「う……ううん」

そんな事ないって言いたかったのに、大きく体を突き上げられて言葉にできなかった。

体の奥底にまで届くように大きく突き上げられて、私の体はこのまま壊れてしまいそう。

嬉しくて、だけど辛くて、昴お兄ちゃんの手を握る力が強くなってしまう。
でも、それに応えるみたいに、昴お兄ちゃんも強く手を握り返してくれた。


【昴】
「はぁっ……ん、なんで構うんだって……」

【鈴音】
「ああっ」

【昴】
「んっんっ……いつもやってくるヤツらみたいに、自分のことしか
考えてないヤツだって……思ってた」

【鈴音】
「昴お兄ちゃん……!」

抱かれながら、何度も背中を駆け上ってくる快感の狭間にいながら、
昴お兄ちゃんの言葉を聞いていた。


【昴】
「いつだって……そうだ……誰だって……そうだろ? 自分のことしか考えない」

「でもわかった……いま」

「俺、今おまえのこと、全部自分のものにしたいって思ってる……全部」

「……ん、はぁ……誰にも触れられてほしくない、
 俺だけしか触れられないものにしたいって……」

そんな風に昴お兄ちゃんが私のことを思ってくれることが嬉しい。
私も、昴お兄ちゃんのものになりたい。

もっといっぱい、昴お兄ちゃんを感じたい。
それなのに、体の奥底に届く感触のせいで言葉にできない。